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ラオスの安井清子さんから、元難民のモン族の人びとが暮らすシヴィライ村からの便りが届きました。
by laospantao


シヴィライ村で影絵の夜

 ラオスに影絵があるか? というと、ラオスで影絵を見たことはない。今回、私たちが作ったのは、伝統的な影絵ではなく、日本で、図工の時間に、ボール紙と色セロハンで作ったような記憶がある影絵の延長線上であるが、電気が来ていると言っても、まだまだ暗い闇の広がる村の夜、光と影で演じる影絵でお話を語れたら、素敵だろうな・・・という思いをずっと抱いていた。モンの民話を影絵で演じられたら楽しいだろうな・・・と。
 今回、モンの民話2話を影絵に仕立てた。実際に制作、演じてくれたのは、夫の所属する人形劇グループである。「トラとクマとイノシシと人間の知恵比べ」というモンの民話と、日本の民話「へっこき嫁」(同様の民話がモンにもあるが、日本のお話の方をベースにした)の二つを影絵にしてみた。
 まずは、ビエンチャン2か所で演じ、まずまずの手ごたえを得てからの、モンの村の公演であったが、影絵はラオス語でやるので、子どもたちがどれだけわかるか? そんな不安も抱えながらの公演であったが・・・

 昼過ぎ、シヴィライ村中学校に着くと、水曜の午後は、「オーク・ヘンガーン(労働奉仕の時間)」ということで、中学生たちは、学校の掃除をしたり、苗木を植えたりして働いている子もいるし、サッカーをして遊んでいる子もいる。先生に聞くと、「仕事が終わったら、遊んでいいんだ」とのこと。学校の校庭に子どもたちがあふれ、わいわい活気があるのは、なんだか楽しい。
 小学生も午後は授業がないとのことで、図書館にあふれている。みんな、影絵がなんだか知らないだろうけど、「何かがある」と、うきうきして待っている。

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図書館の前の、靴たち
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図書館の様子


 さて、影絵の舞台を、図書館の前に立てようと思っていたが、砂ぼこりがひどい。校庭の端っこの少し草が生えているところに舞台を立てることになった。しかし、草の上には、牛のフンが落ちている。せっかくの労働の時間なのだから、先生に言って、中学生に動いてもらおうと思ったが、こんな時、つべこべ言わずさっさと動いてくれるのは、小さな子どもたちだ。影絵の準備を取り巻いて見ている子どもたちが、「ぼくたちが拾うよ」と、わいわい、牛のフンを片付けてくれた。「もう、乾いているから、上に座ったって平気だよぉ」などと言い、子どもたちは牛のフン拾いをしてくれる。 すっかりお祭り気分の子どもたちは、その後踊ったり歌ったり・・・公演が始まるのが待ちきれない様子だった。

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踊りを練習する子どもたち


■第一話「トラ、クマ、イノシシと人間の知恵比べ」
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 ある日出会ったトラ、クマ、イノシシら動物たちと人間が知恵比べをすることになる。人間は、「ぼくの知恵なんて、こんな小さなものさ」と、火打ち石を見せる。動物たちは「なんだ、そんな小さなのが知恵なら、ぼくたちの勝ちだ」と、得々と、約束の日時に、人間に指定された野原に行くが、人間は裾野に火打ち石で火をつけたから、さぁ大変! 野原が大火事に。跳びはねながら逃げたトラは、ところどころ焼けてシマシマに。走って逃げたイノシシは毛が逆立ち、のろいクマは真っ黒焦げに・・・この結果にトラは面白くない。再び、人間に知恵比べを挑むが、今度、人間が、家に取りに行った知恵とは知恵とは、斧だった・・・・
 人間は確かに知恵がある。だが、その知恵は使い方を誤ると、自然を滅ぼすことにもなる・・・ということを、素朴に感じさせてくれるお話です。

■第2話 屁っこき嫁
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 爺さんの悩みは、娘が気だてもよく働き者なのに、大きな屁をすること。そこへ、嫁のもらい手があらわれた。娘は幸せに嫁いだが、屁をがまんし続けて、すっかり元気がなくなった。心配した姑は、話を聞いて大笑い。「屁なんて、我慢することない、おやり!」そこで、嫁は一発ブォ~~~~~ン! あれぇ~~姑は遠く空の向こうへ飛んで行った・・・

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公演をみる子どもたち
by laospantao | 2012-02-02 00:00
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